WOWOWのシナリオ大賞受賞作のドラマ化作品である。
確かに新鮮味がある脚本だ。まず、失踪する男のキャラクターがいい。自分の関わった人たちが、なぜか不幸になっていく。それを願っているわけではないのに。また、義太夫という馴染みのない世界の描写も面白い。
ストーリー展開もいい。どのように進んでいくのか、まったく読めない。そのうちに徐々に男のことが分かっていく。そして、それを追う部下の女性の心情もうまく描かれている。
しかし、この作品を味わい深いものにしたのは、森淳一監督に手腕にほかならない。思わせぶりな映像で見せるのでもなく、かといって説明的もない。生活感がありながらも、どこか寓話のようでもある。この映像スタイルは絶妙だ。
ただし、ラストはちょっともの足りない。ひとひねり欲しかった。
星:★★★