70歳を過ぎても山田太一の世界は健在だ。
山田太一は、上手に生きることができない人間を淡々と描くことに特徴があるが、この作品でもお互いに好きだけど、それ以上踏み込めない不器用な男女の姿を巧みに描写している。少し間違うと昼メロになってしまうが、その微妙な心理描写は見応え十分だ。
ただ、男の心情はうまく表現しているが、女性のほうは多少ステレオタイプのようにも思える。もう少し深い女性の描き込みが必要だ。
渡辺謙が主演した前回の山田太一作「星ひとつの夜」でもそうだったが、渡辺は高倉健にような渋さを出せる役者になってきた。もっと数多くテレビドラマにも出てほしい。
星:★★★