2011年3月アーカイブ


正直言って、初回を見たときはとんでもない駄作だと思った。
説明が不十分で雰囲気ばかりを強調している。しかも、主人公の男性の心理がまったく伝わってこない。

これが「月9」なの? というのが最初の印象だった。

確かに武井咲の瑞々しい演技は魅力的だ。独特の存在感もある。しかし、無理矢理、主人公の男性教師に絡めていて、必然性が感じない。あえて説明しないという設定かもしれないが、これでは男性の心境はまるで分からない。

ところが、回を追っていくうちに、そして戸田恵梨香の心理が細かく描かれていくうちに、恋愛ドラマとしての魅力が徐々に出始めてきた。思い悩む二人が、洗練されたセリフによって、等身大の若者として描かれてきたのだ。

さらに、恋愛というのよりも、もっと大きな意味での人間の愛いついて考えさせられる内容になってきたのだ。最終回に酔っぱらいの熟年男性が登場したが、彼の姿を通して「一緒にいるだけで幸せ」ということが嫌味なく描かれていた。

何気ない幸せの大切さ、がこのドラマのテーマなのだ。

ただし、女性の心境はうまく描けているが、男の心理はステレオタイプ的で、全然描けていない。


星:★★★


金八先生シリーズは、多くは見ていなかったが、「腐ったミカン」のころの作品はかなりの衝撃を受けて見ていたような気がする。

初めてのシーズンからもう30年以上が経ち、そろそろけじめの時期かもしれない。ちょうど定年という歳を迎えるという頃だし。

このスペシャルにも、やはり問題児が登場する。彼を見守る続ける中で、過去に登場して生徒たちが登場し、いかにもファイナルという作りになっていく。中でも「腐ったミカン」の生徒が、すっかりハゲてしまった中年の社長役で登場するあたりは、長い年月を感じる。

ラストは「卒業生」が一堂に集い、まさに番組の創業式のような雰囲気に。その一人一人の紹介が懐かしいさもあるが、かなり長いシーンなのでダレた感じになってしまった。最後だからしょうがない気もするが...。

この手の学園ドラマ、教師ドラマは、金八のような強い個性の教師がいるから成り立つ。次の金八の登場が待たれる。


星:★★


最初はマンガ原作の凡作だと思ったが、見続けると娯楽と割り切った潔い構成と演出が心地良くなってきた。まさにマンガを読むように、単純に楽しい気分にさせてくれる。

何よりも「太陽にほえろ!」のパロディシーンとテーマ曲が楽しい。「太陽にほえろ!」を知っている世代には愉快だが、知らない世代にもあのテーマ曲はドラマの雰囲気に合っていると思っているのではないだろうか?

まあ、安易と言えば安易だが、ここまで潔くやられるとあっぱれと言いたくなってしまう。
それから、大の男の刑事が生真面目に描かれているが、そのあたりも笑いを誘う。大倉孝二、吹越満、田口トモロヲ...。なかなか渋い役者たちで、これも見どころの1つだ。

もちろん、多部未華子の吹っ切れたような演技もいい。もともとマンガチックな女優だけに、今回はまさにハマリ役だ。

刑事ドラマ全盛の時代に、新しいタイプの刑事ドラマが誕生したと言っても過言ではないだろう。


星:★★★


エピソードも平凡で主演の少女の演技もたどたどしい。
けど、結局最終回まで毎回見てしまった。

その魅力の1つが、主人公の祖母に扮した富司純子の演技。気丈な浪速女でありながら、孫や下宿人を思いやる人情味がある女性。気品もある。経験を積んだ女優にしか出せない味だ。

もう1つは、主人公を取り巻く人物がなかなか人間的でいいことだ。尾道の家族や下宿人など、みんないい人ばかりだ。実際にはあり得ないと思うが、彼らの姿やその人間関係を見ていると、何かホッとする。

最終回は予想された展開。きれいに収めたあたりはNHKらしい。福岡に旅立つほうが、ずっとリアリティがある気がするが。

「ゲゲゲの女房」も良かったが、爽やかな気分にさせてくれ、ささやかな感動を呼んだこちらのドラマのほうが私は好きだ。


星:★★★


震災の影響で、最終回の放送が3週間の延びてしまった。最後に重要なエピソードの山場が来るだけに、ちょっとかわいそうな気もした。

ただ、全編を振り返ると、内容的にはいただけない。刑事ドラマの主役をプロファイラーに置き換えたという設定だが、プロファイルリング自体は新鮮味はない。

いかにこのプロファイラーが魅力的か、あるいは事件が面白いかがこのドラマの良さを決定するのだが、いずれも魅力に欠ける。

4人のプロファイラーは個性に欠け、主演の北川景子をはじめとする俳優たちが役と溶け込んでいない。リアルなプロファイラー像がほとんど出ていなかった。

猟奇的な事件は登場するが、大きな盛り上がりもなく平凡に解決される。それにまつわる警察内部の衝突も盛り込まれているが、付け足しでしかない。

全体的に見ると、もっと緻密な脚本とサスペンスを盛り上げる巧みな演出が求められるドラマだった。


星:★


またまた刑事ドラマ。しかも「ゲゲゲの女房」で株を上げた松下奈緒が主演の作品だ。

藤木直人演じる心理学者を絡め、犯罪心理をクローズアップさせたあたりは、少しひねりは利いている。しかも、その説明がかなり分かりやすく、またなるほどと思わせることも多い。

ただ、事件は平凡で、すぐに解決してしまう。一話完結の良さはあるが、物語の深みはない。

さらに松下奈緒の走り方が妙に女性的で、動きの迫力がまったくない。刑事ドラマとしては致命的だ。

ただ、藤木直人が「ゲゲ」と驚く際に、「ゲゲは3回でしょ」と切り返すように、遊び心が随所に散りばめられていて、最終回まで毎回気楽に見られたが。


星:★★


死してなお、絶大な人気を誇る尾崎豊の生涯をドラマ化した作品。

92年に亡くなったので、もう20年近くになるのかという感慨がまずあった。そして、そろそろドラマになってもおかしくない時期だと思った。

原作者は、担当ディレクターだった須藤晃。ドラマでも語り部を兼ねながら重要な役で登場する。

尾崎豊役は成宮寛貴。確かに雰囲気は少し似ているかもしれない。また、すさんだ表情も尾崎を連想させるものがある。

だが、彼の音楽への情熱がどこからどのように出てきたのか、そしてなぜ覚醒剤に手を出したのかなど、その生きざまの中での重要な点がうまく表現されていない。また恋愛観や女性との関係もまったく触れられていない。おそらく、原作にそのあたりの記述がなかったのだろ。

それゆえ、その歌のような迫力はまったく感じされなかった。映像に凝るなど、演出面でそれを出すのも1つの方法だったと思うが。

また、成宮が歌唱も下手とはいわないが、本物に遠く及ばない。ドラマでは楽曲とその歌唱が見どころにになっているだけに、吹き替えでもいいからもっと感動的なものにしてほしかった。


星:★★


「美咲ナンバーワン!!」ではキャバ嬢が教師になるが、こちらは会社がつぶれて職を失ったサラリーマンが何と小学校の校長になってしまう。

民間の人材を校長に起用するのは実際にも例があり、ドラマでも教師たちとの価値観や教育論に違いが大きな見どころになっている。

とは言っても、典型的な教師ドラマで、新鮮味はない。

しかし、江口洋介の演技というのは、いつもワンパターンだという印象を強く受けてしまう。よく言えば力強く自身に満ちた演技といえるが、逆にみると繊細さがなく大味な演技ともいえる。


星:★

冬のサクラ <TBS> 3/20・最終回

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山形の冬の風景は美しく、独特のムードがある作品だ。自然と韓国の大ヒットドラマを連想させる。

内容は難病、不倫、嫉妬、家庭崩壊など、お決まりの感動話がテンコ盛り。キャラクターの作り方、そして役者の演技も過剰気味。作品としては、昼ドラのゴールデンタイム版という感じだ。

草彅剛は「任侠ヘルパー」と比べると、こちらのほうが圧倒的にいい。なぜそこまで人妻を愛してしまうのかという人物上の疑問はあるが、ごく普通の男性の役を見事に演じている。今井美樹もこの役にはハマっている。

雰囲気はなかなかいい作品だけに、あまりドラマチックな物語にしてほしくなかった。


星:★★


映画「アマルフィ 女神の報酬」の続編をテレビドラマ化した作品だそうだ。映画のほうは見ていないが、初回から緊張感ある海外ロケのシーンが登場するなど、スケールの大きさは感じさせる。

実在の国が実名で登場するなど、リアル感にこだわった思い切りの良い設定もなかなか良いと感じたが、これは後日、その国から抗議があり、お詫びのテロップが流れるという落ちも付いている。

しかし、内容はいただけない。サスペンス風の物語は、背景と今後の展開がまるで読めない。難解と言ってはそれまでだが、もっと分かりやすいものにできなかったのだろうか。

それから、主人公の人物像が良くわからない。ストイックな感じは出ているが、もっと人間的なものを出していかないと、魅力的に感じない。

さらに、柴咲コウ演じる女性刑事の人物像も不可解。まさに猿回しのような描かれ方だ。

最後までちぐはぐだらけのドラマだった。


星:★


同じ日本テレビの「ごくせん」を思い起こすドラマだ。

こちらはオリジナルの脚本だが、問題児ばかりの高校のクラスという同じだし、ヤクザがキャバ嬢に変わっただけという感じだ。

内容も、熱血教師がすさんだ学級の生徒たちを立ち直らせるという、毎度お馴染みの路線。まったく新鮮味はない。

ただ、この手の学園ドラマは嫌いではない。分かりやすい内容にお決まりのラスト。「水戸黄門」のように気楽に見られる。娯楽ドラマの王道なのだ。

それだけに何か新鮮味がほしい。例えば、ストーリーが斬新だとか、教師・生徒役が魅力的だとか。

残念ながらこの作品はいずれもその要素はない。特に生徒役が見劣りする。学園ドラマの良さは、新たな才能を見つける場でもあるからだ。


星:★


まさに日本版の「ゆりかごを揺らす手」のようなドラマだ。

子どもをなくし狂気に走る母親で、そして隣人の役を、仲間由紀恵がなかなかうまく演じている。コミカルな役も見事にこなすが、こんな怖さを秘めた美人役も、かなりハマっている。

物語も展開は、最初から予想できるため、サスペンスの魅力は少ない。さらに、あざといくらいの恐怖の描写を盛り込んだほうが、このような作品にはいいだろう。少しホラー度が低いように感じた。

さらに、檀れいの演技がいただけない。ドラマの放送前に彼女にインタビューしたのだが、そのときは主婦の役でいかに平凡さを出せるかが課題と言っていた。しかし、生活感はほとんど表現できておらず、母親としても姿もかなりぎこちない。

この役をもっとうまく演じていたら、作品の出来はかなり変わっていただろう。


星:★★


第三エロチカの最終公演までの道のりを世相と絡めながら、そのサブカルチャーとしての魅力を描いていく。

少し時代は違うが、自分の学生時代と重なり、当時の世相と新宿の街の雰囲気が蘇ってきた。

そして、その中で闘い続けた川村毅の壮絶な生きざまが胸を打つ。良くできたカルチャードキュメンタリーだ。

ただ、今もこの街で暮らし、そして仕事もしている私にとっては、新宿の街の魅力は決して終わっていないとも感じた。


星:★★★


「モリのアサガオ」に続き、テレビ東京がゴールデンタイムに放送する社会派ドラマだ。

天才の小児外科医が、小児外科が廃止になった病院で、病院側との確執と戦いながら、数々の難しい手術を行っていく。「医龍」の小児外科医版といったドラマだ。

確かに医療のシーンは見ていてカタルシスを感じるが、それ以外のドラマの描写が甘い。また、主人公の人物像もハッキリとしていない。

主演は斎藤工。「チェイス~国税査察官~」「ゲゲゲの女房」では脇役ながら、いい味を出していた。2010年の10月期には「クロヒョウ 龍が如く新章」(TBS系)で主演もこなした。

かなり期待していたが、今回はいま一つ魅力に欠けていた。作り込んだ役柄は似合うのだが、このような医者の役ではその人間性をうまく表現できていない。「医龍」の坂口憲二と同じで、存在感がないのだ。

ドラマの内容も斎藤工もちょっと期待はずれだった。


星:★


昨年の「蛇のひと」と同じくWOWOWシナリオ大賞受賞作をドラマ化した作品だ。

心に痛みを持つ青年が、死者が残した日記をたどっていくうちに生きる希望を見出していく...。

死者などが住んだ部屋を後始末をする仕事というのは、確かにユニークで興味を引く。そして、主人公の心境が謎解き風のストーリーの中でうまく表現されている。

死者の娘のエピソードなど、いろいろな要素を盛りすぎ、焦点がぼけたところもあるが、全体的にはなかなか良くできた脚本といえる。


星:★★★


四十九日の法要で、死者が残したレシピ通りに料理を出す。なかなかあり得ない物語だが、夫の仲がうまくいっていない娘や、ユニークな関係者などを巧みに絡ませながら、死者の人生や人柄を浮かび上がらせていく。なかなかうまい脚本だ。

人柄を慕ってやってくる人の描写は、ちょっとうまく出来すぎている気もするが、地方の都市ではこのような人間関係がだあるかもしれないとも思った。

何よりも良かったのは、絵日記のようなレシピ帳。人柄とほのぼのとした雰囲気が伝わり、心が温かくなる。

すごく感動したというわけではないが、心がほっとしたドラマだった。

星:★★★


田村正和が久しぶりに連ドラの主演を努めるということで、期待して見た。

確かに、時間をかけて丁寧に撮影しているということは分かる。俳優陣の充実した演技で、重厚感もある。

だが、松本清張風の物語はオリジナリティはなく、人情味を強調し過ぎている。サスペンスの要素が足りない。

遠藤憲一のナレーションも説明過多だ。そんなに主人公の心境を説明する必要はない。

何よりも田村正和の口跡の悪さが気になる。年齢のせいなのだろうか。痛々しい感じさえする。

正直言って期待はずれのドラマだった。


星:★★

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