2009年単発ドラマの最近の記事

火の魚 <NHK> 12/30

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久しぶりに「巧い」ドラマを見た。

平成21年度文化庁芸術祭賞のテレビ部門の大賞を受賞したドラマだ。この作品を見るきっかけは受賞を知ったからだが、芸術祭の大賞というのはドキュメンタリーなどのお堅い感じの作品ばかりで、これまではあまり興味をそそらなかった。だが、放送時間50分足らずのドラマ、そしてNHK広島制作という点が引っ掛かり見ることにした。

さて、その感想は...。詳細に評論するとかなり長くなってしまうので、ここでは簡潔にとどめたい。

まず、年老いた頑固もの男のキャラクターがいい。よく居そうな老人だが、その頑固さがよく理解でき、さらに親しみさえ湧いてくる。その老人に接する若い女性の描き方もいい。はっきりと老人にものを言う潔さと、ときおり見せる繊細さが絶妙のバランスだ。

そして、この二人が「対決」するシーンはかなりの迫力がある。それぞれの思いをなんと自然に吐き出していることだろうか。思わず納得してしまう、巧妙な会話のやり取りであり、セリフである。

そう、このドラマのすごさは脚本の素晴らしさにある。今回が初のテレビ作品となる渡辺あやは、映画「メゾン・ド・ヒミコ」や「天然コケッコー」を手掛けた脚本家。その自然体の語り口には固有の世界観を感じるが、今回のドラマもその力が遺憾なく発揮されている。

物語の終盤は...。これ以上語らないほうがよさそうだ。とにかく「やられた」という感じだ。だから「巧い」と表現したが、物語はかなり感動的でもある。

今回はBSハイビジョンでの放送だったが、地上波では3/13に放送される。ぜひ見てほしい。 


星:★★★★

サザエさん <フジテレビ> 11/15

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 実写版のサザエさんといえば、幼い頃に見た江利チエミの印象が強い。調べてみると、1965年~1967年にTBS系列で放送されていたらしい。アニメの放送以前だ。

 明るく、楽しく、そしてちょっとドジな若いお母さん。江利チエミが作り出す強烈なキャラクターは、その後星野知子や浅野温子が演じてもパっとしなかった。江利チエミには、突き抜けたおおらかさがあった。

 今回のサザエ役は観月ありさ。今年33歳になる彼女は、年齢的は適役といえるかもしれない。しかし、彼女には生活感がない、ましてや母親のイメージはほとんどない。

 舞台が現代だったら、彼女でもいいかもしれないが、昭和44年という時代にはこのような垢抜けた女性はいなかったはずだ。それゆえ、家族愛を描いているにもかかわらず、ドラマからは温かさはほとんど感じられなかった。

 ただ、マスオ役の筒井道隆と、カツオ役の荒井健太郎は、ぴったりとハマッていた。

 次回は発想を変えて、現代が舞台のサザエさんを作ってみたらどうだろうか?


星:★

美味しんぼ <フジテレビ> 11/14

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 原作のコミックは読んだことはないが、「美味しんぼ」のアニメ版は毎回欠かさず見ていた。ちょっとしたエピソードに涙した記憶もある。

 最初のドラマ版も唐沢寿明の山岡士郎、江守徹の海原雄山がかなりハマっていて、アニメ版に匹敵するほどの出来だった。栗田ゆう子役の石田ゆり子もなかなか良かった。

 主人公の山岡士郎がTOKIOの松岡昌宏に代わってからは、ドラマの雰囲気が薄っぺらになった感じがした。松平健の海原雄山、優香の栗田ゆう子もピンとこない。

 2年ぶりのこの最新作も、全体的に安っぽい感じだ。役者はもちろんのこと、今回は料理の撮り方にも粗さが目立った。立派な料理が、ぜんぜん美味しそうに見えないのだ。これなら、情報番組のグルメコーナーのほうが遙かにうまそうに見える。料理が主題のドラマだけに、これは致命的だ。

 このシリーズを続けるなら、キャストを一新し、製作会社も変えるべきだ。


星:★

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